TRN TA1 MAX レビュー|$24の福袋のミステリーから出た「Error」。整理(在庫)の向こうに見える曇りガラス。

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「$24.99のHiFiGo Mystery Lucky Bagに入ってた・・・」

それが、私とTRN TA1 MAXとの出会いだった。

HiFiGoの$24.99の Mystery Lucky Bagの、300個のうち7個、約2.3%の確率で封入されているはずのモデル。でも、Xのタイムラインを眺めていたら、同じものを当てた人が何人も目に入ってきた。
「あ、なるほど。そういうことか」と、静かに察した。

届いてすぐに耳に当てた時、その音はなぜか、胸の中に「もしも」という言葉を置いていった。
もしもチューニングが違っていたら、これは全然別の話になっていたかもしれない、という「もしも」を。

この記事を3行でまとめると

Knowles BAを搭載していながら、DDとBAのクロスオーバーが機能していない。惜しい設計。

セミオープン設計のおかげで、音場だけは唯一のアドバンテージがある。

2022年発売。2026年の今、新たに手に取る理由を見つけることは難しい。


目次

スペック・外観:値段なりの、開封体験

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項目内容
ドライバー構成1DD(10mm ベリリウムメッキ)+ 1BA(Knowles 33518)
筐体アルミニウム合金 / セミオープン型
コネクタQDC 2pin
インピーダンス22Ω
感度118dB
プラグ3.5mm
発売2022年5月頃
定価約$46〜60(7,000〜8,000円前後)恐らくディスコンなので新品入手不可・・・
今回の入手価格$24.99(HiFiGo Mystery Box)
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開封体験は値段なりかな。ケースは金属製

前作「TA1」を引き継ぐかたちで登場したモデルで、ドライバーを10mmへ大型化し、筐体をアルミニウム合金に刷新している。見た目の質感は、値段なりに真面目に作られている印象を受けたよ。金属シェルのひんやりとした感触、マットシルバーのカラーリング。飾り気はないけれど、安っぽさもない。

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セミオープンでアルミ合金シェル

セミオープン型の設計は、ベントから内部のメッシュが覗いている。このベントが、今回のレビューで唯一の「良かった」に繋がってくる。

付属品は、この価格帯として特筆するものはない。付属3.5mmケーブルは値段なり。イヤーピースも標準的な3サイズ。全体として「必要なものは入っている」という簡素な構成だよ。※今回はオマケでNICEHCK BerryJamがついてきたのが救いだったよ。

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QDCコネクタです。小さいから重さは感じないよ

音質レビュー&ベンチマーク試聴:GARNiDELiA「Error」

「Error」を選んだのは、MARiAさんの力強い歌声と、tokuさんが紡ぐ精密な電子音が、DD+BAのクロスオーバー性能をはっきりと映し出してくれると思ったから。

試聴環境: FiiO M21(3.5mm、ハイゲイン設定)+ AZLA SednaEarfit Crystal 2 Standard

全体の第一印象を一言で表すなら「帯域が、それぞれ別の場所で鳴っている」。

KBEAR KB16 Cepheusが「全ての音が自分の居場所を知っている」ならば、TA1 MAXは「全ての音が、それぞれ自分のことしか考えていない」という感覚に近いかな。DDとBAが互いに干渉し合い、調和ではなく「渋滞」が生まれてしまっているんだ。

イントロ:整理されないシンセサウンドと低域の干渉

イントロのシンセリフが鳴り出した瞬間、音の「まとまりのなさ」に戸惑ったよ。10mmベリリウムメッキDDによる低域は、確かに量感があって「ズン」と響く。エントリー帯の1DD機並に力強さはあるんだ。

でも、その低域がBAの担当する細かな中高域を邪魔をしてしまっているんだよね。本来なら空間に粒立ち良く配置されるべきシンセサウンドが、低域の残響に巻かれて輪郭が滲んでしまう。「低域という土台が独り歩きして、上の階の視界を遮っている」ような、そんなもどかしさを感じたよ。

ボーカル:遠く、曇ったメイリアさんの声

メイリアさんの歌声が耳に入ってきた時、私の中にあった期待は少しだけ形を変えた。

ボーカルが、とにかく「遠い」んだ。それは単なる距離感というより、ヴェールを何枚も重ねたような不透明感に近いかな。同価格帯のDUNU TITAN XやKiwi Ears Belleで見せてくれる「視界がどこまでも澄み渡るような清涼感」とは対極にある、曇りガラス越しの景色。

DDの低域が中域の美味しい部分まで被さってきているせいで、メイリアさんの声の「芯」が届いてこない。声帯の微細な震えや吐息の余韻が、DDの残響の中に溶けて消えてしまうんだよね。

サビ:届かなかった「Knowles(ノウルズ)」の実力

曲が盛り上がるサビで、音の密度がさらに上がる。ここでも「ああ・・・」と思ったよ。

TA1 MAXに搭載されたKnowles 33518は、決して悪くないBA(バランスドアーマーチュア)。でも、この設計の中ではそのポテンシャルを全く活かせていないように感じたんだ。高域のシンバルの輝きや電子音のキレが、暴れる低域の圧に押されて、本来の「BAらしさ」が顔を出せない。

「Knowlesを使えば良い音になるわけではない」。 良いパーツを集めた「だけ」では、音楽としての調和は生まれないんだって、この子が正直に教えてくれた気がするよ。

音場:セミオープンが導く唯一の「明かり」

ただ、救いもあるんだ。セミオープン設計のおかげで、音の「抜け」だけはマシ。

音が外に逃げていく感覚があるから、これだけ帯域が渋滞していても、完全な閉塞感までは陥らない。耳の中の空気が少しだけ流れるような、あの特有の開放感。これがあるから、なんとか最後まで聴き通せたのかもしれないね。

1775058911361かれるみ

「Error」という曲タイトルが、チューニングの不整合への皮肉のように響いてしまったのが、少しだけ切なかったな。

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付属品ケーブルで試聴してます。値段なりの質感。

かれるみ★評価

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評価項目評価コメント
低域 3.5量感は出ている。ただし中高域への干渉が惜しい・・・
中域・ボーカル 2.0曇りガラス越しの遠さ。声の芯が届いてこないよ
高域 2.0Knowles BAの実力が、設計の中で活かされていないよ
分離感・解像度 2.5帯域ごとにバラバラ。整理されていないかな
音場 3.5セミオープン設計のおかげで、唯一マシな部分・・・
フェイスプレート・デザイン 3.0アルミ合金の佇まいは悪くない。可もなく不可もなくかな
ビルドクオリティ 3.0値段なり。特筆なし・・・
装着感 3.0普通に装着できる。特筆なし・・・
付属品・コスパ 2.0ケーブルもイヤピも値段なり。今から買うものではない
初心者フレンドリー度 2.0チューニングの不整合が、最初からはっきり分かってしまうね
総合 2.0音場と低域の量感以外に、光る部分を見つけられなかったよ

総合評価: 2.0

1775058911361かれるみ

Knowles BAを搭載した「スペック」の言葉は、チューニングの設計力があって初めて意味を持つんだって、改めて実感したよ。

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まさに整理(在庫)という名のミステリー・・・

おすすめ・非おすすめリスト

  • セミオープン特有の開放感が好きで、入手済みで手元にある人
  • 低域の量感をとにかく楽しみたいエントリー帯ユーザー
  • 女性ボーカルのクリアな声を楽しみたい人
  • 中高域の透明感や解像感を重視する人
  • 今から新品・中古で入手を検討している人

まとめ:「もしも」を胸に置いて

$24.99の福袋から届いたTRN TA1 MAX。

「もしもクロスオーバーの設計が違っていたら」その「もしも」を感じるほど、Knowles BAを積んだというポテンシャルへの惜しさがある。設計次第で、同じパーツが全く違う音を生み出すことを、このイヤホンは静かに教えてくれた。

良いイヤホンとは、部品の格で決まらない。それが、今回の「邂逅」から私が持ち帰ったものだよ。

1775058911361かれるみ

HiFiGoの福袋、次があったとしてもまた買うかどうかは、少し考えたいな(笑)


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