正直に言うと、私は過去にDUNU製品で、一度だけ裏切られたことがある・・・
DUNU x KOTO ITO。この評価は、私のブログ史上最低記録だった。(詳しくはDavinciの記事見てね)
女性ボーカルの評価が「0.5 点(もはや観測不能)」総合点も1.5点・・・私ながら容赦のない点数をつけたと思う(笑)
でもあれは本当のことだったから。
だから、DUNU TITAN Xが話題になっていた時も、最初は半信半疑だったんだよね。
「また低域ばかりの、ボーカルが霧の向こうに消えるやつかもしれない」と。
……でもごめん、TITAN X。完全に先入観で見くびっていたかもしれない。
箱を開けて、TITAN Xを手に取った瞬間から、何かが違った。
ずっしりと、手のひらに沈み込む重さ。
亜鉛合金ダイキャスト製のシェルは、私が今まで使ってきたイヤホンの中で「過去一重い」と感じるほどの存在感で、その重さとフェイスプレートの「X」の文字が無言で語りかけてくる・・・私、「X」は真剣ですよと。
耳につけてプレイリストを流した瞬間、あの苦い記憶は一瞬で上書きされたよ。
※3/16追記、AliExpressアニバーサリーセールでHiFiGoストアにてセールになってます。ストアクーポンもあるみたいです先着順なので狙ってる方はどうぞ!
- 「廉価帯のDUNUはどうなの?」という先入観を、亜鉛合金の重さと音でねじ伏せられた一本
- 付属のCandyイヤーピースに変えるだけで「正解」にたどり着ける、優しい設計
- A5kクラスで抜群のまとまりを誇る、凝縮された「優等生サウンド」
スペック・付属品全体チェック
まずはスペック・付属品の確認から。
| ドライバー構成 | 1DD(10mm ダイナミックドライバー) |
| 振動板 | ハイブリッド複合振動板(DLCドーム+フレキシブルサラウンド) |
| シェル素材 | 高密度亜鉛合金ダイキャスト |
| コネクタ | 0.78mm 2pin(半埋め込み式) |
| 付属ケーブル | 高純度OCC銀メッキ銅ケーブル(4芯編組、3.5mm)/ USB-C DSP内蔵版(選択) |
| 付属イヤーピース | シリコン(初期装着品・Red Tube・Gray Tube)+ Candy イヤーチップ |
| 価格帯 | A5k(セール時は5,000円以下) |
1DDというシンプルな構成。でもこの子の真骨頂は、スペックじゃなくて「シンプルな設計でのDUNUさんの自信」にあると思う。
DUNUさんがこの価格帯にちゃんと本気を出してきた——それが、TITAN Xを手にした時の最初の印象だったかな。


外観・ビルドクオリティ:質感の高さが光る
フェイスプレートには大きく「X」の文字がドカっと入っている。
X……Twitter? X JAPAN? と一瞬混乱するのはさておき(笑)、亜鉛合金の質感そのものは文句のつけようがない。
手に取った時の、あのひんやりとした金属の感触は——正直、値段を忘れさせる。
亜鉛合金の重みは「ずしり」というより「どっしり」で、シェル全体に密度の高さを感じる。鉄の塊から削り出したような、他にはない存在感だね。
耳に装着した時も、その重みはちゃんと伝わってくる。
ただ、慣れると逆にこの質量が「ちゃんとつけている」という安心感になるから不思議。


付属品について
初期装着のシリコンイヤーピースは…ダメだった(笑)。
音がどこかぼんやりして、「あれ、思ったより普通かな」と感じる原因になる。
ここで絶対にやってほしいのが、付属の「Candy」イヤピへの交換。
これに変えるだけで、音がグッと整う。低域も引き締まって、ボーカルが近くなって、「あ、この子の本気はこっちだったんだ」とわかる瞬間が来る。
サードパーティのイヤーピースを別途購入する必要は、正直ないかな。
DUNUさんがこの付属品イヤピセットで「答え」を用意してくれているからね。

音質レビュー&ベンチマーク曲試聴:ClariS『Trigger』
試聴環境: FiiO M21(4.4mmバランス、 ハイゲイン設定)イヤピ:付属DUNU Candy
聴いてみての最初の一言目を表すなら——「それぞれの音が、ギュッと詰まっている」。
広大な音場や、全帯域が暴れ回るカオスとは対極にある音。
すべての音が、自分の居場所を知っている。そういう、まとまりの良さ。
ベンチマーク曲に選んだのは、ClariSの『Trigger』。
疾走感のあるサウンドと、クララ・エリー・アンナの声が重なる鮮やかなハーモニーが印象的な一曲。※パチンコ「リコリス・リコイル」のために書き下ろされた曲。アニメ版「リコリス・リコイル」では「ALIVE」が使われていて有名ですね。
高域:上品な伸び、刺さらない誠実さ
高い音が、少しだけ鋭く感じる瞬間がある・・・そういうイヤホンが世の中にはたくさんあるよね。
TITAN Xは違うかもしれない。
シンバルの響きが、きちんと「鳴って」から、静かに消えていく。
刺さらない。煩くない。でも、存在感は確かにある。
この亜鉛合金素材でこれほど上品に高域をまとめてくるのは、設計の丁寧さを感じる。
中域・ボーカル:きちんと「前」にいる
TITAN Xを一番気に入っているのが、ここ。
「近い」というのは、ただ近いのではなく——音場の中で、きちんと「前」に立ってくれている、という感覚。
霧の向こうに消えていくような感覚とは正反対で、3人の表情がきちんと見える。
3人のボーカルの没入感が、とにかく高い。クララの安らぎと癒やしの歌声も、エリーのウィスパーボイスの響きやアンナの甘くも元気いっぱいな歌声もしっかり伝わるね。3人の声が、すっと耳の中に着地してくるし、Triggerの少し攻撃的なノリもしっかり感じられるよ。
低域:タイトな存在感、塊の実在感
「低域の重さ重視」というより、「低域がちゃんとある」という表現の方が近い。
低域は出ている。でも主張しすぎない。
心臓の鼓動というより、ステップを踏むような——軽快でタイトな、実在感のある低域。
量感よりも、キレと密度を優先したチューニングだと感じるかな。
音場・定位
音場は、広くはない。箱庭的と言っていいかな。
定位の奥行きや距離感の表現は、やや曖昧に感じる部分もある・・・。
ただし、その狭さが「密度の高さ」と表裏一体になっているから、圧迫感は不思議とないかな。
むしろ、音が凝縮されている分、ひとつひとつの音の実在感が増しているね。
音場が広いイヤホンに慣れた人には最初少し窮屈かもしれないけれど、慣れると「この密度の中にいる心地よさ」が分かってくるよ。
ライバル比較:A5kクラスの個性の違い
同じ価格帯で、それぞれ別の個性を持つモデルを並べてみるよ。
| 比較項目 | DUNU TITAN X | TANGZU Wan’er S.G II Red Lion | TRN Conch |
| シェル素材 | 高密度亜鉛合金 | PET樹脂 | 亜鉛合金 |
| 低域の印象 | 凝縮・タイト・実在感 | 伸び伸び・開放的 | 量感あり、やや重め |
| ボーカルの距離 | 近め | 近い・ゼロ距離 | 普通 |
| 高域の扱い方 | 上品にまとまる | 伸びやかな余韻 | シャラシャラ、騒がしい |
| 音場 | 箱庭的・密度重視 | 比較的広め | 普通 |
| 得意シーン | ボーカル重視するなら | EDM・バンドサウンド系 | なんでもそつなく |
かれるみ評価:A5kクラス3イヤホン対決
| 評価項目 | DUNU TITAN X | TANGZU Red Lion | TRN Conch | コメント |
|---|---|---|---|---|
| ボーカルの近さ・明瞭度 | 3.5 | 4.5 | 2.5 | ボーカルの近さは圧倒的にRed Lionの勝ち。TITAN Xは近さより崩れない明瞭度 |
| 高域の上品さ・制御 | 4.0 | 3.5 | 2.0 | Conchのシャラシャラ感は今のこの価格帯ではもう過去のものレベル |
| 低域の質感 | 4.0 | 4.5 | 3.5 | 量感は Red Lionが一歩上。TITAN Xは凝縮感で勝負 |
| 音楽としてのまとまり | 4.0 | 4.0 | 3.0 | TITAN Xの整理がついた響きは、この価格帯では群を抜く |
| 総合満足度 | 4.0 | 4.5 | 3.0 | 総合力と楽しさならRed Lionが上。TITAN Xは真面目な優等生として選ぶ一本かな。Conchは一つ前の時代な感じ |
TANGZU Wan’er S.G II Red Lionの方が「音が前に出てくる開放感」とボーカルの近さがあって、聴いていて楽しい。
DUNU TITAN Xは「音が自分に寄ってくる密度感」があって、崩れない優等生としてのまとまりがあるね。TRN Conchはあとの二つと比べると、世代差を感じてしまうかも。
どれが良い、ではなく——今日の気分と聴く音楽で、手を伸ばす先が変わる、そんな関係だと思うね。
かれるみA5kクラスに、これだけ個性の違いがあるんだなと。それがまた、ポタオデの面白いところだよね。




かれるみ★評価
| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 低域 | 4.0 | タイトな存在感。量より質で勝負している |
| 中域・ボーカル | 4.5 | ボーカルが近い。この価格帯でこの没入感は誠実すぎる |
| 高域・シンバル | 4.0 | 上品で刺さらない。この素材でこれほどまとめてくる設計の丁寧さ |
| 分離感・解像度 | 3.5 | 純正ケーブルでは少し曖昧な部分も。悪くはない |
| 音場 | 3.0 | 狭め。密度は高いが広さは求めない方が良い |
| デザイン・外観 | 4.0 | 金属の質感は◎。Xって書いてあるフェイスプレートは好みが分かれるかも |
| ビルドクオリティ | 4.5 | 亜鉛合金の重みと質感。値段を忘れさせる |
| 装着感 | 3.5 | 重さに最初は驚くが、慣れると安心感になる |
| 付属品・コスパ | 4.5 | Candyイヤーピースがある時点で◎ |
| 初心者フレンドリー度 | 4.0 | 付属品だけで完結して高音質を楽しめる。スマホ直差しは音量取りにくいかも |
| 総合 | 4.0 | A5kクラスの素直な解放者。ブランドへの信頼を取り戻してくれた |
総合評価: 4.0



ちゃんと基本も音質もしっかりしてるし、アマゾンでも買えるしオススメ
こんな人にDUNU TITAN Xはおすすめ!
- 女性ボーカルを近くで聴きたい人、没入型のリスニングが好きな人
- 付属品だけで完結させたい人(Candyイヤピに換えるだけで正解にたどり着ける)
- A5kクラスで、ちゃんと「高音質」を求めている人
こんな人には合わないかも
- スマホ直差しで鳴らす方(おそらくUSB-Cケーブル版でも、音量が取りにくく本領を発揮しにくい)
- 広大な音場や、開放的な鳴りを求める人
- リケーブルを前提に考えている人(ケーブルの相性に注意が必要な場合があるけど、ハマれば化けるよ)
まとめ:まずは付属品イヤピ・ケーブルで聴いてほしい
DUNUさんに対する少しのわだかまりが、TITAN Xで綺麗に洗い流された気がする。
そう書くと大げさかもしれないけど——この価格帯で凄く真面目に作られたモデルに出会えたのは、正直嬉しかった。
Candyイヤーピースに替えて、付属ケーブルのまま耳で感じる。
それだけで、このイヤホンの答えはほとんど出ている。
リケーブル等カスタム沼に踏み込む前に、まずこの付属品全体での完成形をじっくり味わってほしいな。
(NiceHCK GOD DNAとの組み合わせで、さらに化ける話は……また別の記事で。その深みは今回は封印しておくね)



U5kで、ここまでの優等生がいたとは。DUNUさんの底力、再確認したね。さらにリケーブルすると真の解放者(リベレーター)にもなれるよ




