全域の音の洪水とでも呼ぶべき、あのGEEKWOLD GK20PROの圧倒的な熱量に当てられたあと。
その後に私の物欲(笑)で手元にやってきたのは、TANCHJIMの「SODA」という透明な少女(てんきちゃん)だったんだ。
パッケージには、TANCHJIMブランドのキャラクターである「てんきちゃん」が可愛いブルーの水着姿で描かれてる。
爽やかなブルー、そしてSODAという名前。誰もが「炭酸がパチパチとはじけるような、刺激的な音」を想像するよね。でも、初めて箱を開け、耳につけて音を鳴らした瞬間……私は少し戸惑っちゃった。
かれるみ「あれ……? ちょっと寂しい音かも……?」
いつもと同じDAPの設定なのに、彼女の声は少し遠くにいたんだ。まるで、扉を叩く強さが足りないと拒絶されているかのように。
すべての音が整ってはいるけれど、どこか遠い。まだ魂が入っていない、すっぴんの音。
圧倒的な「全部乗せ」のイヤホンを聴いた直後だったからこそ、余計にその控えめさが際立って聴こえたのかもしれないな。
でもね、てんきちゃん(SODA)は最初から全力じゃなかっただけ。
てんきちゃんとの契約に、時間が必要だっただけなんだ。
- 「TANCHJIM SODA=炭酸」は幻想!石清水のように澄み渡る、ボーカル最前列の超・透明機
- 1DD+4BA+2パッシブユニットの7ドライバで、刺さらない高域と圧迫感ゼロの極上フィット
- ClariSの『コネクト』歴代3世代を聴き比べるガチ検証付き。女性ボーカル好きなら「救済」の1本
TANCHJIM SODA 基本スペック
| ドライバー構成 | 1DD+4BA+2パッシブユニット(計7基) |
| インピーダンス | 15.5Ω |
| 感度 | 120dB |
| 再生周波数帯域 | 8Hz–48kHz |
| ケーブル | Litz構造 高純度銀メッキ銅線(3.5mm / 4.4mmプラグ交換式) |
| コネクタ | 0.78mm 2pin |
| 価格 | A50kクラス(約55,000円前後) |






装備 ── 魔法少女のアイテム
まず目を奪われるのは、やっぱりそのデザイン!
クリアブルーのシェルからは、内部にぎっしりと詰め込まれた1DD+4BA+2パッシブユニット(計7基)のドライバ群が透けて見えるの。
低域を担うダイナミックドライバーについては、公式サイトでもこのように語られているよ。
TANCHJIM SODAには、DMT5(第5世代の動電型トランスデューサー)を採用した10mmダイナミックドライバーが搭載されています。これにより、深く豊かな低域を実現しています。(公式より引用)
このDMT5ドライバーが、ボーカルを邪魔しない程度に、でもしっかりと重厚な土台を支えてくれているんだね。
ここで見逃せないのは、末尾の「2パッシブユニット」。これはTANCHJIM独自の「Silk System」と呼ばれるギミック。
超高音域(16kHz〜23kHz)の微細な響きをコントロールして、耳に刺さるような鋭さを消し去るための特別な機構みたい。不自然な煌びやかさを捨て、空気の透明度だけを抽出するための装置とも言えるね。その名の通り、シルクのようになめらかで、どこまでも透明に伸びていく高域……TANCHJIM SODAの最大の武器である「刺さらない極限の透明感」は、この魔法のような技術によって支えられているんだね。
ドライバオタク()としても、このメカニカルな構造美を視覚から楽しめるのは本当にたまらない。まるで「魔法少女の透けてる装備」みたいでしょ?
手に取ると、透明な硝子越しに夕陽を見ているような、どこか懐かしい感触がある。
そして何より、装着した時の「内圧ゼロ」感覚。私がとても苦手な、耳の中が塞がれるような圧迫感が全くないの。耳がちゃんと呼吸している。長時間のリスニングでも、これなら絶対に疲れないだろうな。
付属品のクオリティも異常(褒め言葉)だよ。
標準でついてくるT-APBイヤーピース(気圧調整機能付き)は、高域強化用と低域強化用の2種類がそれぞれ3サイズ。そのままで使えるレベルの高品質なものが揃ってるよ。
Litz構造の高純度銀メッキ銅線ケーブルも、プラグが3.5mmと4.4mmで交換式になっていて、細部の装飾一つとってもTANCHJIMさんの「本気」が宿ってる。






覚醒 ── 奇跡も、魔法(エージング)も、あるんだよ
外見は、夢と希望を叶えてくれそうな魔法少女のソウルジェム。けれど、その奥底に流れているのは、どこまでも冷静で、極限まで澄み切った『石清水』の真実。この愛くるしい器と、理知的な音のギャップに、私はもう、魂を抜かれるような契約を交わしてしまったんだと思う。
「寂しい音」と感じた箱出し直後の状態から、DAP(FiiO M21)に繋ぎ、じっくりと数十時間のエージング(鳴らし込み)をしてみた。
魔力供給源からたっぷりと電力を注ぎ込み、時間をかけて魂を吹き込む儀式。
そして再びTANCHJIM SODAを装着した時、世界は劇的に「化け」ていたんだよね。
最初は硬く閉ざされていた10mmダイナミックドライバー(DMT5)が、呪縛から解き放たれたようにしなやかに脈打ち始めたの。
薄かった音圧が、深層から湧き上がるような豊かな量感へと変化して、ボーカルを輝かせるための力強い「ステージ」を作り上げていく。
同時に、個別に鳴っていた4基のBAとパッシブユニットたちが、ひとつの魔法のようにピタリと足並みを揃え出した。
ただの無音だった空間が、息をのむほど深い「静寂」へと書き換わっていたよ。
寂しいと思っていたあの遠さは、実は音と音の間の「透き通るような余白」だったんだって気づかされた。
不純物がすべて洗い流され、石清水(いわしみず)のように澄み渡った空間。そこに、ボーカルの息遣いが光の粒子となって満たされていく感覚・・・
弾けるような炭酸の刺激じゃなくて、森の奥深くで湧き出る、極限まで透き通った水の音。
これこそが、てんきちゃん(SODA)の本当の姿だったんだね。
『コネクト』が繋ぐ三つの祈り ── 三世代を渡るSODAの実力チェック
TANCHJIM SODAの最大の特徴は、何といっても「ボーカル最前列」の圧倒的な透明感。
今回は、魔法少女まどか☆マギカで有名なClariSの『コネクト』一本勝負。3つの世代それぞれの『コネクト』を通して、SODAの解像度と透明感を検証していくよ。
試聴環境: FiiO M21(4.4mmバランス、 ハイゲイン設定)
源流の純度(クララ × アリス時代)
試聴曲:『コネクト』(オリジナル版)
イントロが流れた瞬間、2010年代初頭の空気がそのまま蘇ってくるようだった。
最初期のClariS特有の、あの初々しく瑞々しい歌声。SODAを通すと、その声の「鮮度」が、現在の技術のまま再定義されて鼓膜へ届くの。
ただ懐かしいだけじゃない。あの頃の二人の声の純度が、一切の曇りなく透き通って聴こえる。声のかたちが、手に取るようにわかるんだ。
魂の融和(クララ × カレン時代)
試聴曲:『コネクト-2017-』
ここが、TANCHJIM SODAの真骨頂!
クララとカレンの二つの声が重なるユニゾン。SODAは、ただ二人の声を混ぜ合わせるんじゃなくて、「重なって生まれる”第三の響き”の美しさ」と「それぞれの声の明確な聴き分け」を、同時に叶えてくれる。
ユニゾンのレイヤーの中に隠れた、カレンの声が浮かび上がる色彩。少し大人びた二人のハーモニーが、どれほど緻密に織り上げられているか。SODAの透明感は、そのすべてを拾い上げ、救済してくれたよ。
大海の広がり(クララ × エリー × アンナ 現体制)
試聴曲:『コネクト-season 03-』
二人が三人になった時、世界はどう広がったのか。
3人体制による複雑で厚みのあるハーモニー。並のイヤホンでは音が渋滞してしまいそうな情報量だけど、SODAは決して濁らせない。
三人が紡ぐ声のレイヤーを、極めて高い透過度で描き分ける。大海原のように広がった新しいClariSの世界を、SODAは透明なまま、真っ直ぐに届けてくれたんだ。
石清水と月光 ── ZiiGaat Lunaとの対比
A50kクラスのイヤホンを探していると、必ず名前が挙がるもうひとつの傑作。
それが、私のメインイヤホンでもある「ZiiGaat Luna」。
価格帯が同じこの2機、実はアプローチが対極にあるんだ。
まずはスペックを並べてみるね。
| TANCHJIM SODA | ZiiGaat Luna | |
|---|---|---|
| ドライバー構成 | 1DD+4BA+2パッシブユニット(計7基) | 6BA(低2・中2・高2) |
| インピーダンス | 15.5Ω | 26Ω |
| 感度 | 120dB | 103dB |
| 周波数特性 | 8Hz–48kHz | 20Hz–32kHz |
| 価格帯 | A50kクラス | A50kクラス(約55,000円) |
かれるみ評価:A50kクラス 2大巨頭対決
| 評価項目 | SODA | Luna | コメント |
|---|---|---|---|
| ボーカルの温度・近さ | 5.0 | 4.0 | SODAは血の通った温もりがある。Lunaはクールで少し引いた目線で聴かせる |
| 高域の刺さらなさ | 5.0 | 5.0 | SODAのシルクのような高域に対し、Lunaはどこまでも解像度高く伸びていく |
| 低域のスピード・深さ | 4.0 | 5.0 | Lunaの低域BAの正確さと深みは異常。EDMを聴くならLunaの圧勝 |
| 音の輪郭(エッジ) | 3.5 | 5.0 | 境界線を引くLunaと、音を溶かし合わせるSODA |
| 聴き疲れしにくさ | 5.0 | 4.0 | SODAは内圧ゼロ。LunaのフルBA特有の圧迫感は、私の耳の調子次第なだけ |
| 総合満足度 | 5.0 | 5.0 | どちらもA50kクラスの到達点。「方向性の違い」という言葉がこれほど似合う2本もない |
ZiiGaat Lunaが「月光」なら、TANCHJIM SODAは「石清水」。
Lunaはモニター寄りな性格が強い機種だけれど、SODAはあくまで、人間の声の温もりと色彩に深く浸るためのチューニングになってる。
どちらが優れているか、っていう話じゃないんだ。
今日は音のすべてを暴き出したい気分か、それとも、声の透明な波に揺られたい気分か。
その日の心模様に合わせて手を伸ばす、二つの究極の選択肢と言えるんじゃないかな。


祈り ── 魔力供給源への渇望
これほどまでに透明で美しい魔法を見せてくれるSODAだけど、彼女(てんきちゃん)には欠点……というより、「条件」があるの。
それは、スマホ直挿しのような環境じゃ、決して真の力を見せてはくれないということ。
魔法少女には、相応しい「魔力源」が必要だと思わない?
DAPでしっかりと電力を注ぎ込んだ時の劇的な変化を知ってしまった今、私は密かに憧れてるんだ。
同じTANCHJIMのDAC「SPACE」や、上位機種の「LUNA」といった純正の魔力供給源があれば、この子の魔法はきっとさらに完璧な「円環の理」へと至るんじゃないかって。
それはいつか、新しい扉を開ける時まで夢を見ることにするよ。
かれるみ★評価(★ 5.0 / 5.0)
| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| ボーカルの近さ・透明感 | 5.0 / 5.0 | 余計なものを全部取り除いた先にある、声の輪郭をそのまま届ける |
| 中高域のクリアさ | 5.0 / 5.0 | Silk Systemのおかげ。解像度を保ちながら、刺さりをきれいに消してる |
| 低域のバランス | 4.0 / 5.0 | 量感より質。タイトに響き、ボーカルを邪魔しない縁の下の力持ち |
| 分離感・解像度 | 5.0 / 5.0 | ユニゾンの中の微細な声まで救い上げる奇跡の透過度 |
| 音場 | 4.0 / 5.0 | 広さよりも、どこまでも深く透き通った奥行き |
| 装着感 | 5.0 / 5.0 | 魔法のように存在が消える。耳が息を吹き返す感覚 |
| デザイン・パッケージ | 5.0 / 5.0 | ビルドクオリティの高さ。てんきちゃんの世界観と技術の融合が◎ |
総合評価: 5.0(満点)



ついに、満点を出してしまったよ。これが私にとっての「救済の音」の答えだね。
この魔法が届く人、届かない人
おすすめしたい人
- 女性ボーカル(アニソン・J-POP)を中心に聴き込む人
- 「声の色彩」や「ハーモニーの重なり」を何よりも愛する人
- 圧迫感のない、長時間の透明なリスニング体験を求めている人
- DAPや強力なDACなど、十分な再生環境を持っている人
- てんきちゃんへの愛がある人
おすすめしない人
- 低音の圧倒的な量感や重厚感が最優先な人
- バンドサウンドやEDMの熱量を中心に楽しむ人
- 買ってすぐ、スマホ直挿しで手軽に最高の音を鳴らしたい人
- 音量が少し取りにくいのが嫌な人
まとめ:もう、何も怖くない
TANCHJIM SODAが示してくれたのは、力押しではない「純粋な透明感」という名の魔法だったんだ。
あの時、箱を開けて手持ちの環境ですぐに鳴らし、「寂しい音圧だ」って戸惑っていた自分を叱りたい。
待ちなさい、と。彼女の本当の力は、ゆっくりと魂を吹き込んだその先にしかないんだよって。
すべての音を、あるべき場所へ。余分なものを引き算し、ただ純粋な声だけを残した空間。
TANCHJIM SODAは、間違いなく私にとっての「救済」だったよ。


あとがき:観測者としてのヒトリゴト
エージングによる音の変化。それはオーディオの世界で、しばしば論争の的になるよね。
プラシーボ効果だと言う人もいると思う。確かに、耳が音に慣れただけなのかもしれない。
でも、それがプラシーボだったとしても。
その変化に心が震え、音楽をより深く愛することができたなら、それはその人にとっての「絶対的な真実」なんだ。
理屈の先にある、自分だけの奇跡。
SODAが見せてくれた透明な景色を、私はこれからも大切にしていきたいな。



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