久しぶりに、箱から出したときの姿に戻してみた。
CVJ NOZOMIからNiceHCK
Snowlunaにしてたリケーブルを外し、標準のシルバーノズル・ケーブルに替えて、そのまま耳に付けてみる。
以前のレビューでは、ブラックノズルとリケーブルでこの子を「育てる」ことに夢中になっていた。カスタムした先の音が好きだったのは本当だけど、気づいたらCVJさんが差し出した「素の答え」を、一度もちゃんと受け取っていなかったんだ。
最近、「初めてのちょっといいイヤホン」の候補として、この子の名前を見かけることが増えてきた。そうなると、余計なものをぜんぶ外した素顔を確かめておきたくなったんだよね。
- 2DD+1PDのガチ構成。開ける瞬間から音を鳴らすまで、ワクワクが詰まった「音のおもちゃ箱」
- 整理された活気が心地よい。A15kクラスの「終点」としても推せる圧倒的な完成度
- 3種のノズルや豊富な付属品は、音の「着せ替え」パーツ。自分だけの正解を探す楽しさがある

スペック
| ドライバー構成 | 2DD(10mm + 6mm)+ 1PD(マイクロ平面駆動ドライバー) |
| ケーブル | 4芯銀メッキケーブル、2pin 0.78mm |
| プラグ | 3.5mm / 4.4mm 交換可能 |
| 価格帯 | A15k(約14,000〜16,000円) |
| 付属品 | 交換用ノズル3種(シルバー/ゴールド/ブラック)、フェイスプレート2種、イヤーピース複数サイズ、アクリルスタンド、缶バッジ、専用ケース |
| リケーブル | 可(2pin 0.78mm) |
2DDに1PD(マイクロ平面駆動ドライバー)を組み合わせるという、A15kクラスでは少し特徴的な構成。アルミ合金製シェルは軽く、フェイスプレートには可愛いNOZOMIちゃんのイラストが描かれてるよ。
それと、ノズルが3種類ついてくる。これが、一番の「音の着せ替えのおもちゃ」でもあるよ。



音質レビュー&ベンチマーク試聴(fripSide「only my railgun version2020」)
試聴環境: FiiO M21(4.4mmバランス、 ハイゲイン設定)イヤピ:AZLA SednaEarfit ORIGIN Standard
全体印象:「賑やかささえ愛おしい、整頓された音のおもちゃ箱」
付属の標準ケーブル、シルバーノズル。そのままで耳につけると・・・思った以上に整っていた。
以前レビューしたGEEKWOLD GK20 Proのような、全帯域が押し寄せる「音の洪水」とはまるで別の話みたい。情報量はあるのに、壊れていない。活気はあるのに、迷子にならない。同じA15kクラスで、ここまで整理して鳴らし切れるんだな・・・そんな小さな驚きがあったよ。
ただ、どこか最初から「完璧な答え」を出そうとしていない感じがする。その話は後で。
ここからは、fripSideの「only my railgun version2020」(南條愛乃さんリテイク版)をベンチマーク曲にして、各帯域を中心に聴き込んでいくよ。
かれるみオリジナルを「電気が走るような刺激」とするなら、リテイク版は「灯台の光みたいな、少し大人びた確かな輝き」だね。
「夢」の続きを追いかけて走り続けるあのメロディがシンセで弾ける。青春の輝きをそのままに、でも棘は少し丸くなって、大人の艶が滲んでいる。
CVJ
NOZOMIは、このリテイク版の「変化」を消さなかった。
高域・イントロ:光るけれど刺さらない、シンセの制御
刺さる一歩手前で、ぐっと踏みとどまっている。
光の粒のような輝きが散らばる。冒頭のシンセが鳴り出した瞬間、NOZOMIは「制御」を始める。シンセが先走ろうとするのをギリギリで抑えながら、音楽の活気としての輝きだけを残す。刺さらないけれど、ちゃんと光っている。A15kでこれができるなら十分すぎるよ。
中域・ボーカル:南條愛乃さんの声質を曖昧にしない
喧騒の中で、半歩後ろに下がり、凛として歌う声。
リテイク版でいっそう落ち着いた艶を帯びた南條愛乃さんの声。あの独特の「泣きそうで泣かない、でも確かに切ない」トーンの細かな変化を、NOZOMIは消さない。
距離感はあるから、ボーカルが前に飛びついてくるタイプではないかな。でも、曇りがない。サビで感情が高ぶる瞬間の吐息の震え、音の奥に沈んだ静けさまでが、クリアに届くんだ。
「声の輪郭をヴェールの向こうに隠す」DUNU DaVinci等の低音に振ったイヤホンとは正反対。NOZOMIは、声をそのまま届けてくれる気がする。
低域・ベース:足元を確実に支える土台
価格帯は下のクラスの、7Hz Elua UltraやTANGZU Wan’er Red Lionのような「うねる重低音」とは種類が違う。足元を静かに、かつ確実に支える土台。中高域が前に出られるよう、少し引いて控えている。
低域のバスドラ・シンセベースも、主張しすぎることはない。でも、リズムがぶれない。音楽が崩れないよう、静かに、でも確実に仕事してくれている。


サビ・音場:空間の全体像
横の広がりが心地よい。それぞれのユニットが個性を主張しながらも、見晴らしがいいんだ。
Aメロからサビへの立ち上がり。楽器たちがそれぞれの居場所を保ちながら一斉に動き出す瞬間・・・その空間が、ちゃんと見える。情報量はあるのに、渋滞しない。それでいて、圧迫感にならないぎりぎりの線で収まっている。



この曲のサビが、一番NOZOMIらしい顔を見せてくれた気がするな。
少し余談:ノズル交換という「音の着せ替え」
ここで少し立ち止まる。
CVJ NOZOMIには3種類のノズルが付属してくる。シルバー、ゴールド、ブラック。それぞれ音の表情が変わる。最初に試したとき、私は一番おとなしい音のブラックを選んで、それ以来ずっとそこに落ち着いた。
でも今回、初期装着のシルバーで最後まで聴いてみて、気づいたことがある・・・。
実は私はノズル交換できるタイプのイヤホンはあまり好きじゃないんだよね(笑)メーカー(今回はCVJさん)が「一つの答え」を提示しないっていうことは「癖があるチューニング」と言っている気がしてね。
でも、メーカーが一つに絞らなかったのは、迷いではなく「このおもちゃ箱を隅々まで遊び尽くしてほしい」というサービス精神の表れなのかもしれない。そう思わせるほど、どのノズルでも音の基礎体力が高いんだよね。



迷っちゃうほどの選択肢も、気分で音を着せ替える贅沢な悩みだと思えば楽しいよね。


同価格帯対決:CVJ NOZOMI vs GEEKWOLD GK20 Pro
同じA10k〜A15kクラスで、同じ「多ドラ」路線。でも目指している場所は全然違うように感じる。
| CVJ NOZOMI | GEEKWOLD GK20 Pro | |
|---|---|---|
| 構成 | 2DD + 1PD(計3基) | 1DD + 3BA + 2PZT + 1FPD(計7基) |
| 価格帯 | A15k | A15k |
| 全体の印象 | 整理された活気 | 音の洪水、全員主役 |
| ボーカル定位 | 半歩後ろ、クリア | 楽器に埋もれがち |
| 高域 | 刺さり一歩手前で制御 | 派手、ときに暴れる |
| 低域 | 土台系、控えめ | 量感たっぷり、前に出る |
| 得意なシーン | 女性ボーカル、シンセサウンド系 | EDM、ロック、とにかく情報量が欲しい時 |
| 音の性格 | 整頓された音のおもちゃ箱 | 音のカオスを楽しむ |
かれるみ評価:A15kクラス多ドラ対決
| 評価項目 | CVJ NOZOMI | GEEKWOLD GK20 Pro | コメント |
|---|---|---|---|
| ボーカルの定位・明瞭度 | NOZOMIは喧騒の中でもボーカルが凛と立つ。GK20 Proは楽器に飲まれがち | ||
| 高域のコントロール | GK20 Proの高域はシャリ付き気味。NOZOMIはギリギリで耐えてる | ||
| 低域の質感 | 量感ならGK20 Proの勝ち。でもNOZOMIの方が音楽を壊さない | ||
| 情報量・多ドラ感 | 7基の圧倒的情報量はGK20 Proの独壇場 | ||
| 音楽としての完成度 | 整理されて「聴ける」のはNOZOMI。GK20 Proは楽しいけど破綻も多い | ||
| 総合満足度 | 音楽を聴くならNOZOMI、スペックの暴力を浴びたいならGK20 Pro |
GEEKWOLD GK20 Proが「全員主役の音の洪水」なら、NOZOMIは「整列した音のおもちゃ箱」。同じ多ドラでも、NOZOMIには音楽としてまとめる力がある。ただ、GEEKWOLD GK20 Proの「正気ですか?」と言いたくなるドライバー数と音の情報量は、あれはあれで唯一無二の体験だよね。



「音の洪水を浴びたい日」と「音楽をちゃんと聴きたい日」。その日の気分で手を伸ばす先が変わる、そんな関係かな。




かれるみ★評価
| 評価項目 | かれるみ評価 | コメント |
|---|---|---|
| 低域 | 土台としては優秀。量感を求める人には物足りないかも | |
| 中域・ボーカル | 歌い手がそこに立っている、という確信が持てる。半歩引いてるけど、曇らない | |
| 高域・シンバル | 高い音が、暴れそうになる手前でそっと手綱を引かれている | |
| 分離感・解像度 | それぞれの音が、お互いの領土を侵さずに共存している | |
| 音場 | 横の広がりが心地よい | |
| デザイン・フェイスプレート | NOZOMIちゃんが可愛い。シンプルなフェイスプレートにも交換できるよ | |
| ビルドクオリティ | アルミ合金製で軽くて装着感も◎ | |
| 装着感 | イヤピさえ合うサイズを見つければ、長時間でも疲れにくい | |
| 付属品・コスパ | ノズル3種・フェイスプレート2種・アクリルスタンド等。豪華すぎる | |
| 初心者フレンドリー度 | カスタム出来る選択肢が多い分、迷うかもしれないけど親切な設計 | |
| 総合 | A15kクラスの終点でいいかなと思える完成度 |
総合評価: 4.0



ここまでの価格帯なら出せるよって方にオススメだね!
こんな人にCVJ NOZOMIはおすすめ!
- 女性ボーカル曲を中心に、アップテンポで活気のある曲をよく聴く人
- ポタオデ沼の入り口を、しっかりした音で体験したい人
- ノズル交換やリケーブルで「自分の好みの音」を探す楽しさを知りたい人
- 付属品の豪華さとNOZOMIちゃんの可愛さに惹かれる人
こんな人には合わないかも
- ボーカルを真正面に感じたい、距離感にシビアな人
- 「完璧な音」を最初から提示してほしいと思う人
- 重低音の量感が好きな人
まとめ
これより上の価格帯を知らなければ、このCVJ NOZOMIは間違いなく100点だと思う。
南條愛乃さんの歌声を改めて聴いて、「あ、ちゃんと届いてるな」と思った。喧騒の中で凛と立つ声、一歩後ろにあるけど曖昧にならない裂け目。この価格帯で、ここまでやれるんだ、って少し嬉しくなった。
ただ・・・最初は3種のノズルという「選択肢」に少し戸惑ったのも事実。でも、見た目だけ可愛らしい色物だと思っていた自分を恥じるほど、音作りは誠実だった。自分だけの正解を探求できるこのおもちゃ箱は、ポタオデの楽しさをこれでもかと詰め込んでくれている。



次はどの音で遊ぼうかな。そんな期待に、NOZOMIちゃんはいつでも笑顔で応えてくれるよ(笑)


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