TRN VX Pro+ レビュー|ガラス越しのシグナル、剥き出しのエナジー。ClariS「淋しい熱帯魚」で聴く、冷たくて熱い多ドラのホンネ

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それは、あまりにも無機質な対面だったんだよね。手に取った瞬間の、あのひんやりとした金属の冷たさ。スペック表に踊る「1DD+8BA」という圧倒的な数字。それらが、何かを告げることもなく、ただそこに「存在」している、TRN VX Pro+ との出会いは、どことなく、冷たい水槽の中で静かに泳ぐ「淋しい熱帯魚」を見つめるような、不思議な静寂に満ちていたよ。

この記事を3行でまとめると

1DD+8BAという圧倒的物量。解像度は決して高くないけれど、それを補って余りある「分離感」と「高域の元気さ」が最大の武器だよ。

ClariS「淋しい熱帯魚」のハーモニーを完璧に切り分ける分離能。 A15k級に匹敵する「整理力」を A5k で実現している点はまさに衝撃的だね。

総合評価★4.0。付属品の質素さやメーカーの塩対応はあるけれど、実売5,500円で手に入る「分離の極致」は、音のエンタメとして最高に面白いよ。


目次

スペック・外観:過剰なまでの饒舌さ

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項目内容
ドライバー構成10mm ベリリウム振動板 DD × 1 + カスタム BA × 8
筐体航空機グレード マグネシウム・アルミニウム合金
コネクタ / ケーブル0.78mm 2pin / 4芯銀メッキ銅素材
インピーダンス / 感度32Ω / 106dB
周波数特性7Hz – 40,000Hz
実売価格 (参考)Amazon 約5,500円 / $43〜70前後
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メカニカルな美学を感じる鏡面仕上げな金属質だね
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フィット感とても良さそうな形だよ。

TRN VX Pro+ は、1DD+8BA という、この価格帯としては異常なまでの物量を注ぎ込んだハイブリッドモデルだね。

手に取ると、ずっしりとした金属感の割に軽くて、シェルの仕上げは丁寧でビルドクオリティに隙はないかな。8つの BA を詰め込みながらも、耳にすっぽりと装着感良く上げているのは、メーカーとしての技術の蓄積を感じさせるね。

スペックシートだけを見れば、この子はあまりにも凄いよね。「豪華な音を出せれば、最低限の付属品で十分!」と言わんばかりの圧倒的な物量。実際に鳴らしてみると、その「主張の強さ」に驚かされることになるよ。

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ポーチなんて無いよ。雑にこれだけ入ってるよ。必要最低限でいいという割り切り!

徹底解析:ClariS「淋しい熱帯魚」で聴く「切ない境界線」

今回、この子の「ホンネ」を暴くために選んだのは、ClariSがWinkの昭和の大ヒット名曲をカバーした 「淋しい熱帯魚」を選んでみたよ。

試聴環境: FiiO M21(3.5mm、ハイゲイン設定)+ AZLA SednaEarfit Crystal 2 Standard

80年代のポップで懐かしさ感じるシンセサウンドを現代的に復刻したこの楽曲は、音の立ち上がりと「引き際」が肝心だよ。TRN VX Pro+ は、その複雑なレイヤーをどう捌くのか。ここから、各帯域ごとの「ホンネ」に迫ってみるよ。

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AZLA SednaEarfit ORIGIN StandardイヤピースとFiiO M21で試聴してます。

低域:ベリリウムが支える、しっかりしたボトム

イントロのシンセラインが鳴り出した瞬間に感じるのは、意外なほどの「節度」だね。10mm ベリリウム振動板 DD が受け持つ低域は、決して過剰な主張はしないけれど、深いところからしっかりと空気に震わせてくれるよ。

ボワつくことのないタイトなレスポンスは、楽曲のテンポを崩さず、精密なリズムを刻み続けてくれる。この「質の高い低域」があるからこそ、上で行われるBAたちの饗宴が単なる騒音にならないんだ。この低音の質感だけで良いものを買ったと思えるレベルだと断言できるね。

中域・ボーカル:ガラス越しのシグナル、その「遠さ」の価値

ClariS のクララとカレンの歌声が入ってくると、多くの人が「あれ?」と思うかもしれないね。そう、ボーカルが物理的に「遠い」んだ。

耳元で囁くような近さはないけれど、それは決して「埋もれている」わけじゃない。まるで水槽のガラスの向こう側から聞こえてくるような、独特のディスタンス。実売価格を考えれば、この距離があるからこそ、クララとカレンの二人の声がぶつからず、完璧に独立した二つのラインとして聞き分けられるんだ。瑞々しさよりも「構造の美しさ」を見せる中域。これは唯一無二の体験だよ。

高域:エネルギッシュな暴力と、剥き出しの輝き

サビで 8基の BA が覚醒すると、高域は一気に熱を帯びるよ。とにかく「元気」だね。キラキラというよりは、金属特有のシャリつきを隠さない、剥き出しのエナジーを感じるんだ。

音数の多い場面では耳に少し刺さるような鋭さもあるけれど、それが楽曲に強烈な躍動感をもたらしてくれる。突き抜けるような高域のキレを求めているハイブリッド派なら、この鳴り方には思わず笑みがこぼれるはずだよ。最近の「優等生すぎるイヤホン」にはない、かつての TRN らしい攻めの魂を感じるね。

分離感・解像度:整理整頓の極致、A15k級の衝撃

正直に言って、解像度(一音一音の微細な描写)は決して「極めて高い」わけじゃない。でも、「分離感」に関しては、まさに衝撃的。 多くの音が密集する難曲でも、VX Pro+ はそれらを瞬時に「整理整頓」して、配置を決め直してくれるんだ。

「多ドラ=団子状態」という懸念を、この圧倒的な分離能が見事に打ち砕いてくれる。15,000円クラス(A15k)の機材と比較しても全く引けを取らないこの整理力こそが、TRN VX Pro+ に投入された 8基の BA が導き出した「正解」なんだろうね。

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「淋しさを感じる暇もないほどの音の密度、でも混ざらない」。この不思議な感覚を、ぜひ一度味わってほしいな。

このMVは一見の価値ありだよ。

ライバル比較:DUNU Titan X との決定的な違い

ここで、同価格帯(A5kクラス)の 1DD の名機、DUNU Titan X と比較表にまとめてみるよ。

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比較項目TRN VX Pro+DUNU Titan X
音の傾向ドンシャリ・元気・派手フラット寄り・高解像・丁寧
ボーカル距離一歩引く(分離重視)適正(瑞々しさ重視)
高域の質感シャリつき・エネルギッシュ滑らか・透明感
分離感衝撃的。多ドラの物理的優位性。1DDとしての限界まで優秀
総合評価★ 4.0 (ロマンと実力の融合)★ 4.5 (完成された正解)

「正解」を緻密な解像度で追求するなら Titan X。でも、「音に囲まれる楽しさ、剥き出しの分離感」を求めるなら、VX Pro+ は唯一無二の存在になるよ。

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DUNU TITAN XYongse1947にリケーブルしてます。

かれるみ★評価 (★ 4.0 / 5.0)

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評価項目評価コメント
低域 4.0十分な量感、ベリリウムDDの安定感だね
中域・ボーカル 2.5一歩引く距離感。ここは好みが分かれそうかな
高域 4.5極めてエネルギッシュ! 刺激的で楽しいね
分離感 5.0まさに衝撃レベル。 A15k級と渡り合えるポテンシャル
解像度 3.0スペックほど緻密ではないけれど、不足はないよ
付属品 1.5質素すぎて、かける言葉がありません……
総合 4.0A5kという価格破壊が生んだ、最高のエンタメ

総合評価: 4.0

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解像度よりも、圧倒的な「整理能力」で勝負する。TRN の意地を感じる一品だね。


おすすめ・非おすすめリスト

  • 5,000円前後で、A15k級の分離感と元気な高域を体験してみたい人
  • 高域のキレと元気さを重視する、ハイブリッド派の人
  • 複雑な楽曲(ClariSのハーモニー等)の「構成」を覗き込みたい人
  • ボーカルが耳元でささやくような、近さを求める人
  • 金属特有のシャリつき(刺さり)に極端に敏感な人
  • 全ての音がモニターのように緻密な解像度を求める人

まとめ:水槽の向こう側に見えるもの

機材としての TRN VX Pro+ は、決して「優等生」ではないけれど、その 「分離能」と「高域の輝き」 だけは、間違いなく本物だったよ。

二人の歌声が重なる「淋しい熱帯魚」の切なさと、VX Pro+ が描き出す精密なまでの境界線。それは、ガラスの向こう側で静かに泳ぐ熱帯魚たちを見つめるような、美しくも孤独な体験だったね。

淋しい想いをするのは、音楽の中だけでいい。でも、たまにはこんな「圧倒的な整理能力」で、世界のすべてを冷静に眺める夜があってもいい。この子が描き出す「ホンネ」は、貴方の耳にどう届いたかな?

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TRN Cnonch付属のRedchain4.4mmにリケーブルするのもイイね

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