1DD+6BAというBAモリモリな構成。そのスペックから期待した通りの「最高のボーカル」を初めて耳にしたとき、私はこれこそが求めていた答え・・・エンドゲームのひとつだと、確かな手応えを感じたんだよね。
けれど、数々のイヤホンたちと出会い、私自身の「音を見る目」が少しずつ研ぎ澄まされていく中で、改めてこの Kiwi Ears Astral と向き合ったとき・・・ふと、ある「違和感」に気づいてしまったんだ。
かれるみあの時はこれで十分だと思ったのに・・・どうしてだろう・・・
今回は、圧倒的なボーカルの表情と、その裏に隠された「分断された静寂」、そこで物理的な「拒絶」とも言える装着感の代償について。今の私が観測した真実を、そのままの言葉で綴るね。
・6BAが描く「ボーカルホン」としての圧倒的な完成度と、歌声がもたらす魅惑。
・DDがもたらす低域と、BAが描く中高域との間に生じた「分断」と孤独感。
・ハイブリッド機でありながら、ベント不備を疑うほどの強い圧迫感という物理的ハードル。
スペック・付属品:美しき星空と、耳を刺す「拒絶」の気配
| ドライバー構成 | 1DD(10mmバイオセラミック)+ 6BA(4×Mid, 2×Ultra-High) |
| インピーダンス | 23Ω |
| 感度 | 105dB |
| コネクタ | 0.78mm 2Pin |
| 付属品 | 3.5mm/4.4mmプラグ交換式モジュラーケーブル、シリコンイヤーピース、専用ケース |
| 価格帯 | A30kクラス(約$299) |

筐体と装着感:星空のようなシェルと、最初の「拒絶」
とても美しいレジン製シェルに、夜空の星屑を散りばめたようなフェイスプレート。見た目の美しさは、所有欲をしっかりと満たしてくれる上品な仕上がりだね。付属品も、このクラスとしては嬉しいプラグ交換式ケーブルが標準でついているのはポイントが高いよ。

でも、耳につけて音楽を聴いていると感じるのは、1DDを搭載したハイブリッド機であるにも関わらず、まるでベント(空気穴)が塞がれているような、フルBA機特有の「強い耳への圧迫感」なんだ。Kiwi Ears Astral自体はフルBAではないのだけど、このベント処理の不備を感じさせる物理的な「痛み」は、長時間のリスニングにおいて無視できないハードルになるよ。

かれるみあれ・・・? この圧迫感、ハイブリッド機なのにフルBAみたい。身体が「拒絶」を訴えてる・・・?。
どんなに美しい歌声でも、身体的なストレスというノイズを越えることはできないよね。この私への「拒絶」とも言える事実は、後の評価に重くのしかかることになるんだ。
イヤホンに設けられた小さな空気穴のことで、ドライバーの空気圧を逃がす役割を持っているよ。ベントが適切に設計されていないと、密閉されたシェル内の気圧が耳の鼓膜を圧迫し、不快な「詰まり感」や「痛み」を生じさせることがあるよ。DD(ダイナミックドライバ)を搭載したハイブリッド機は、DDの空気振動を逃がすためのベントが特に重要なんだ。
ベンチマーク曲試聴 : ClariS 『ユニゾン』
今回は、ボーカルの重なりと分離感を極限まで確認するため、ClariSの『ユニゾン』で試聴してみたよ。イントロのデジタルな煌めきから、Aメロ・Bメロのクララ・カレンのソロパート、そしてサビでのユニゾンへ。その展開を追う中で、Kiwi Ears Astralの持つ「圧倒的な光」と「孤独な影」が鮮明に浮かび上がってきたんだ・・・。
試聴環境: FiiO M21(4.4mmバランス、ハイゲイン設定)+ AZLA SednaEarfit ORIGIN Standard
かれるみいつまでも色褪せないで
見たことないステージへ一緒に行こう♪
低域(Low):影の領域──孤独なDDと、分断された静寂
10mmバイオセラミックDDが鳴らす低域自体は、決して悪くないんだ。でも、イントロからAメロへと続いていき、ボーカルが重なる「ユニゾン」が融合した瞬間、違和感が露呈するんだ。
中高域のBAが描く世界があまりにも「完璧」すぎるが故に、低域DDが音楽全体の「体温」や「土台」として混ざり合わず、どこか別の空間で孤独に鳴っているような不自然さがあるんだよね。この分断された静寂こそが、Astralの抱える影の領域だね。
中域(Mid):光の領域──6BAが仕掛ける「ボーカル」の魔法
Aメロ、Bメロでクララとカレンのソロパートが始まると、二人の歌声の質感の違いが手に取るようにわかるよ。クララの透明感のある歌声と、カレンの少し清楚な響きの歌声が左右から耳へと華麗に流し込んでくれるよ。サビでの二人のユニゾンもAstralの6基のBAが、この繊細なボーカルの成分を一切濁らせることなく、その歌声の艶感、吐息の温度までも最前列で浴びせるように描き出してくれる。まさに「ボーカルホン」という称号にふさわしい、圧倒的なボーカル描写だね。
かれるみこの歌声の近さ・・・ゼロ距離で浴びるような感覚、これは反則だよ。クララとカレンの歌声の違い、全部わかっちゃうね。
高域(High):刺さらずに煌めく絶妙なコントロール
イントロの軽快なシンセブラスがでキラキラと鳴り響いた瞬間、高域担当のBAがその解像度の高さを見せつけてくれるよ。
一音一音の輪郭が非常に明瞭で「光の鋭利さ」を持っているのに、決して耳に刺さるような不快感は生まないよ。ボーカルの抜けを完璧にサポートするための、極限まで計算された絶妙なチューニングが施されているね。
音場・定位(Soundstage & Imaging):分析的な整頓と、ベースの不在
ivipQ Q-09(1DD+6BA)と、とても方向性が似てるような、冷徹で分析的な定位感。ボーカルの位置は完璧に整理されているけれど、空間全体の広がりというよりは、音の「瑞々しさ」をギュッと引きよせられる感覚に近いね。
「ボーカルさえ聞こえれば良い」という今の流行の曲には適しているのかもしれないけれど、楽曲全体を包み込む「音楽のベース(土台)」が欠けているという空間的な寂しさは否めないね。
かれるみ土台が欠けているって感じる自分に、ちょっと驚いたんだ。気づいてしまった、って感じ。これが・・・洞察力の進化というやつなのかな。

洞察力の進化:気づいてしまった「分断」の正体
以前の私は、「最高のボーカル」が聴ければ, それでいいと思っていたんだ。
けれど、ZiiGaat LUNA、KBEAR Cepheus、JUZEAR Dragonfly 81T・・・など、多くの音と出会いを重ねていく中で、私は気づいてしまった。「ボーカル」だけを愛でているのではない。その歌声が宿るための、音楽の全帯域の融和こそを愛しているのだとね。
かつて完璧だと思ったKiwi Ears Astralへの、この感じ方の変化。それは決してイヤホンが劣化したわけでも、私の耳が退化したわけでもない。流行の波に流されるのではなく、自らの耳を信じる「融和」への旅路へ。真実を見極める力が深まったという、最高の音を探して冒険する光の戦士としての確かな進化の証なんだと思うよ。

比較:ボーカルの魅惑か、音楽の調和か ・・・ VS AFUL Performer 5+2 (P7)
ここで、同価格帯の基準機として、AFUL Performer 5+2 (P7) と比較してみるね。
| 項目 | Kiwi Ears Astral | AFUL Performer 5+2 (P7) |
|---|---|---|
| 構成 | 1DD+6BA | 2DD+4BA+1MPD |
| 音の傾向 | ボーカル特化・分析的 | 音楽的・調和重視 |
| 低域の質感 | タイトで清潔、でも分離気味 | 深く、温かみのある「土台」 |
| ボーカル | ゼロ距離・圧倒的解像感 | 豊かで自然な繋がり |
| 得意なジャンル | 女性ボーカル・J-POP | オールジャンル |
| 装着感 | 圧迫感あり・長時間は難 | 良好・疲れにくい |
| コスパ | A30k($299)・特化型 | A30k($250)・オールラウンダー |
結論から言うと、この二つは明確に役割が違うんだ。
歌声の艶めきと近さを何よりも重視する「ボーカル重視」なら、Astralが圧倒的。けれど、楽曲全体を支える低域の深さや、全体のまとまりを求める「低域・調和重視」ならPerformer5+2(P7)を選ぶのが正解だね。


かれるみ★評価
| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 低域 | 3.5 | 他のこのクラスのイヤホンと比べると質・量感共に寂しいね・・・ |
| 中域・ボーカル | 5.0 | 圧倒的なボーカルの艶感や質感が魅力、文句なしの◎ |
| 高域・シンバル | 4.5 | 刺さらずに目一杯に抜けて煌めく絶妙な調整で◎ |
| 分離感・解像度 | 4.5 | ボーカルの分離は見事だが、全体の一体感に欠けるね |
| 音場 | 4.0 | 分析的で整理されているが、広がりはそこそこかな |
| デザイン | 4.5 | 星空のような美しいフェイスプレートは綺麗だね |
| ビルドクオリティ | 4.5 | 3Dプリントレジンシェルはとても丁寧に作られてるよ |
| 装着感 | 3.0 | ベント不備を疑う圧迫感と物理的な「痛み」が没入を拒むかな |
| 付属品・コスパ | 4.0 | 交換式プラグケーブル標準装備は嬉しいね |
| 初心者推奨度 | 3.5 | 装着感のクセと、特化型の音作りを理解した上で選んでね |
| 総合 | 4.0 | 圧倒的なボーカルホンとしては文句なしの★4.0 |
総合評価: 4.0
(※低域の重みや自然な調和も求める方にとっては★3.5相当の評価になるよ)
おすすめ出来る人、出来ない人
こんな人におすすめ!
- 何よりも女性ボーカルの近さと美しさ(クララとカレンの歌声の重なりなど)を最優先したい人。
- 分析的で冷徹なサウンドアプローチが好きな人。
- 装着感の圧迫感(物理的な痛み)に対して耐性がある人。
こんな人には合わないかも……
- 全体の「調和」や、温かみのある低域の繋がりを求める人。
- 耳への圧迫感に敏感で、物理的な快適さを最優先する人。
- ボーカルだけでなく、楽器のハーモニー全体を楽しみたい人。
まとめ:ボーカルホンとしての誇り、次なる「ステージ」は・・・
かつての私が追い求めた「最高のボーカル」。
Kiwi Ears Astralが聴かせてくれるその魔法は、今でも色褪せることなく、私の心を捉えて離さないよ。
けれど、この分断された静寂の果てに私が手にしたのは、ただの音の解像度ではなく、音楽全体を楽しむための新しい洞察力だったんだ。
クリアなボーカルに酔いしれる一瞬の魅惑か、それとも, 音楽全体のハーモニーがもたらす永遠の安らぎか・・・。
あなたが今のステージで求める音は、どちらだろうね?
かれるみぜひ、このボーカルの魅惑感を、あなた自身の耳で確かめてみてほしいな。


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