NICEHCKさんから届いた、新しいイヤホンケーブル。Fall(秋・落ちる方じゃ無いよ笑)という名前の穏やかそうな言葉のイメージを大きく踏み越えた、価格帯にしてはスペック強めなケーブルだったんだ。
18.6 AWG。一般的なイヤホン用(24〜30 AWG)ケーブルがまるで糸のように思えるほどの、圧倒的な物量感。二重同軸構造をまとったその NICEHCK Fall を手にしたとき、私はメーカーが放った規格外の招待状を受け取り、静かな高揚感を抱いていたよ。
製品提供:NICEHCK Japan @NiceHCK_Audio さま
かれるみ18.6 AWG・・・この数値、イヤホンケーブルとしてどうなのかな?でも、NICEHCKがこの物量でどんな景色を描こうとしたのか、確かめてみたくなったんだ。
- 18.6 AWGという規格外の物量:中低域に圧倒的な厚みと底上げをもたらす唯一無二の個性。
- 工法と剛性の結晶:しなやかさを削ぎ落とした剛性が生む、重厚で高級感あふれる金属パーツ。
- fripSide『late in autumn』の叙情:よしのんのハイトーンが牙を剥く、刺さるか刺さらなかのスリリングな駆け引き。
スペック・外観:重厚なパーツと、頑強なまでの意志
| 導体素材 | 超高純度単結晶銅 (OCC) |
| ゲージ | 18.6 AWG |
| 構造 | 二層同軸構造 / インピーダンスバランス(±0.1Ω) |
| コネクタ/プラグ | 金メッキOFC(無酸素銅)材採用 |
| ハンダ | 自社開発高銀ハンダ採用 |
| 価格帯 | 約$60(約9,500円 AliExpress価格) |
まず驚かされるのは、プラグやコネクタパーツの質感だね。指先に伝わる、重厚で、黒鉛のような感触。深く艶やかな銅線がのぞく被覆ケーブルと相まって、そこには芸術的な気品が漂っているよ。
ただ、この Fall と付き合うには、一つの覚悟が必要になるよ。
18.6 AWGという物量を詰め込んだそのケーブルは、極めて堅牢で、なかなかには曲がりづらい剛性を持っているんだ。しなやかさを削ぎ落とし、ただひたすらに導体としての個性を優先したような、そんな不器用なまでの意志を感じるね。
日常使いで軽快に持ち歩くというよりは、お気に入りの椅子に座って、腰を据えて音楽と対峙するためのケーブル。そう使うのがふさわしいかもしれないね。


試聴レビュー:fripSide 「late in autumn」が描く、それぞれの情景
試聴環境: FiiO M21(4.4mmバランス、ハイゲイン設定)+ AZLA SednaEarfit Crystal 2 Standard / 検証機材: DUNU TITAN X (1DD) , ZiiGaat Arete II (1DD+4BA)各付属ケーブルとの比較
秋の終わりから冬へと向かう刹那を描いた、fripSideの叙情的な名曲「late in autumn」。この曲が持つ静寂と切なさを、Fallの18.6 AWGという物量がどう描き出すのか。イヤホンごとの表情を追いかけてみたよ。
イントロからBメロ:DUNU TITAN Xでの「物足りなさ」と、Fallのフィルター
静かなピアノとシンセの旋律から始まるイントロ。Fallを通したその音は、まるで「色を失くした景色」という歌詞を体現するように、高域の明瞭度がほどよく抑えられ、しっとりとした質感になるんだ。
これは単なる曇りではなく、鋭いエッジをあえて削ぎ落としたフィルターのような効果。ここで1DDの基準機である DUNU TITAN X を繋いでみると、意外な壁に突き当たるんだ。
18.6 AWGという極太の導体がもたらす中低域の厚みは確かにあるけれど、1DD構成だと肝心の高域の煌めきが沈み込みすぎてしまう。よしのんの吐息やシンセの余韻が少し眠くなり、楽曲が持つ鮮烈なエネルギーが物足りなさに変わってしまうね。1DDの楽しさよりも、Fallの抑制というフィルターが強く効きすぎてしまう印象だね。

サビ:ZiiGaat Arete IIが見せる「重層的な答え」
サビに向かって音が厚みを増していく瞬間、真のパートナーとしての ZiiGaat Arete II を投入するよ。ここでようやく、Fallの18.6 AWGという物量が正攻法へと変わるんだ。
Arete IIの持つ緻密なBAドライバーの描写が、Fallによって抑えられたTITAN Xの時とは違い、しっかりと楽曲の見通しを確保してくれるよ。中低域にはFallでの迫力が加わり、密度感のあるサウンドとして立ち上がってくるね。情報量が増えても、深いレイヤーの土台が音楽全体を地面に繋ぎ留めてくれるから、音が散らばらず、心地よい音圧となって耳に届くよ。
ただ、よしのんの天井知らずなハイトーンの抜け感には、やはり注意が必要だね。Fallの抑制がブレーキをかけてくれるとはいえ、Arete IIのようなハイブリッド機でさえ、あの鋭い高域は実際には少し刺さり気味に感じる瞬間があるんだ。18.6 AWGという物量ですら抑えきれない、よしのんの歌声の鮮烈さ。そこには刺さるか刺さないかの危うい境界線を行き来する、独特のスリリングな駆け引きがあるね。
かれるみ解像度が高いZiiGaat Arete IIだと、よしのんの高域が牙を剥くね(笑)。でも、この「物量でねじ伏せられない何か」があるから、ポタオデは面白いんだよね。


相性の検証:使いこなしのヒント
- フルBA・ハイブリッド:全体のポテンシャルを底上げするのに非常に有効。低域の厚みが欲しい人には最適解の一つ。
- 高域が元気なハイブリッド機:派手すぎるエッジをマイルドに寄せ、リスニングサウンドとしての落ち着きを足したい場合に。
- 極限の解像感を求める人:高域が抑制されるため、見通しの良さを最優先する場合は音が眠く感じられるかも。
- 1DD:スペック上の補完よりも、若干の物足りなさが勝ってしまうかも。
かれるみ★評価
| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 低域 | 4.5 | 物量そのものの厚み。底上げ効果が高い。 |
| 中域・ボーカル | 4.0 | 密度感が増し、落ち着いたトーンに。 |
| 高域 | 3.0 | かなり抑制される。刺さりへの特効薬ではない。 |
| 分離感・解像度 | 3.5 | 重心は下がるが、見通しは少し曇る。 |
| 取回し・剛性感 | 2.0 | 圧倒的な剛性。取り回しよりも質感を愛でるべし。 |
総合評価: 3.5
かれるみスペック至上主義への一つの回答。万人向けではないけれど、暖かさ重視ならハマるかもね。

まとめ:スペックモンスターと過ごす、静かな夜
NICEHCK Fall は、決して万能なケーブルではないかもしれない。取り回しを犠牲にし、高域の華やかさを抑えて絶対的な暖かい土台を手に入れる。まさに秋の終焉を謳うもの・・・そんな極端な選択肢を提示してくれる、一風変わったプロダクトだね。
今のイヤホンに、もっと落ち着きと厚みが欲しい。そう願うあなたの夜に、この銅色の秋色ケーブルが新しい風景を届けてくれるかもしれないね。
かれるみリケーブルって、正解がないからこそ面白い。この「秋の終焉を謳うもの」も、いつか愛おしくなる・・・のかな?(笑)
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